<楽器用品>取扱品
三味線バチ各種・先べっ甲バチ・糸巻各種・御琴柱・御琴爪各種・駒各種・ギターピック など
三味線バチ
象牙製の三味線バチは、しなやかな弾力と程よい硬さを兼ね備え、古くから最高級品として多くの演奏者に愛されてきました。
その特長は、何よりもバチ自体の素材音が出ない点にあります。たとえばセラミック製のバチは、演奏時にセラミック特有の響きが音に混ざってしまうことがありますが、象牙はそうした雑音を持ちません。そのため、三味線本来の音色がそのまま素直に響くこと、この「素の音」こそが、象牙バチの大きな魅力とされています。
中でも、一本の象牙から削り出して作られる「丸撥(まるばち)」は非常に希少です。製作には、バチ先のひらきが最低でも約11センチ必要となるため、使用できるのはごく一部の大型象牙に限られます。具体的には、牙の長さが約2メートル、重さ30キロ以上の象牙でなければ、丸撥を取ることはできません。特に地唄用のバチとなると、50キロを超える象牙が求められます。象牙のバチは牙の細い先端部分の内部が詰まった部分から切り出されるため、その製作には厳しい条件が伴います。
一方、複数の象牙片を継ぎ足して作られる「ハギ撥」は、象牙ならではの質感を保ちつつ、実用性や価格面でも優れた選択肢です。
当工房では、象牙製三味線バチを演奏者様のご希望に応じてオーダーメイドで製作・修理しており、一点一点、丹念に調整を重ねて仕上げております。





